DX・GX化を進める企業に——令和8年度末まで・人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内

社会保険労務士事務所ラボーレのコラム用イメージ:万年筆とノートが置かれたデスク

DX化やカーボンニュートラル化を進めたいが、従業員のスキル習得にかかる費用が負担になる——そのようなお悩みをお持ちの事業主の方に、活用できる可能性がある助成金をご紹介します。人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、企業内のDX・GX化を進めるにあたって必要な知識・技能を従業員に習得させる訓練を実施した場合に、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部が助成される制度です。令和8年度末までの期間限定です。

対象となる事業主と労働者

雇用保険適用事業所の事業主が対象です。訓練を受講する労働者は雇用保険被保険者であることが必要です。

対象となる訓練

以下の3つの要件をすべて満たす訓練が対象です。

訓練の要件
  • 実訓練時間数が10時間以上であること
  • OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること
  • 職務に関連した訓練で、DX・GX化に関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識・技能の習得をさせるための訓練であること

パンフレットでは以下のような活用例が示されています。

DX化に伴う訓練の例
  • 建設業:ドローンを活用した測量手法の導入に向け、ドローン操縦技能やBIMの講習を受講させる
  • 医療・福祉:オンライン診察やAI問診の導入に向け、医療従事者にDX訓練を受講させる
  • 運輸業:RPAを活用した書類の電子化・自動化や、AIによる配送ルートの最適化のためのデジタル人材育成訓練を受講させる
GX(カーボンニュートラル)化に伴う訓練の例
  • 製造業:コークスを熱源とする溶解炉を電気炉へ変更しCO2削減を図るため、必要な知識・技能を習得させる
  • 農業:農薬散布のトラクターをドローンに置き換えCO2を削減するため、ドローンスクールに通わせる

なお、単にデジタル機器の初歩的な操作習得のみを目的とする訓練や、既存システムの操作方法習得のみを目的とする訓練は対象外です。

助成額・助成率
通常分
  • 経費助成:中小企業75%・大企業60%
  • 賃金助成:1人1時間あたり中小企業1,000円・大企業500円
経費助成の限度額(1人1訓練あたり)
  • 10時間以上100時間未満:中小企業30万円・大企業20万円
  • 100時間以上200時間未満:中小企業40万円・大企業25万円
  • 200時間以上:中小企業50万円・大企業30万円
注意点
  • eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみ(賃金助成は対象外)
  • 中小企業のみ、要件を満たした場合に設備投資加算(導入費用の50%)の上乗せあり
  • 1事業所が1年度に受給できる助成額は上限1億円
申請の流れ

事前に職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定・周知が必要です。その上で以下の流れで申請します。

申請の流れ
  • 【Step1】訓練開始日の6か月前〜1か月前までの間に、職業訓練実施計画届・事業展開等実施計画等を管轄労働局へ提出
  • 【Step2】職業訓練実施計画に基づき訓練を実施。支給申請までに訓練経費全額を支払う
  • 【Step3】訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請書等を管轄労働局へ提出

本助成金は令和8年度末(令和9年3月末)までの期間限定です。DX・GX化に向けた人材育成を検討中の事業主の方は、訓練開始の最低1か月前までに計画届の提出が必要なため、早めの準備をお勧めします。申請手続きについてはお気軽にご相談ください。

※本記事は執筆時点の情報に基づいています。助成金の要件・支給額等は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省ウェブサイトまたは都道府県労働局にてご確認ください。

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